児童相談所新規採用定員割れのニュースから〜関連トピックまとめ

子どもの支援

 

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児童相談所の新規採用 定員割れ

【2022年10月5日:NHK首都圏ニュース】

千葉県で、来春採用の児童相談所に配置する2つの職種(「児童指導員」「心理」)で2年連続で定員割れとなることについて、報じたニュース。

「児童指導員」は定員73に対して合格者が29、「心理」は定員51に対して合格者が35。あくまで合格者の数なので、今後、辞退する人も出てくるわけで・・・なかなか厳しい数字です。

 

  

元職員からの過酷な職場環境の訴え

【2022年10月05日:千葉日報】

定員割れには、児童相談所の職員と取り巻く労働環境も、かなり影響しているのでは?と思います。

千葉県の市川児童相談所の元児童指導員の方が、長時間労働でうつ病が再発し退職を余儀なくされたとして千葉県を相手取り訴訟を起こした記事。

過酷な職場環境から休職する職員が相次いでいるとして「裁判を通して働きやすい職場になってほしい」と話していらっしゃるとのこと。

  

  

たまたま千葉県の話が続きましたが、多少の地域差はあれ、これは決して千葉県に限った話ではないと思います。

これまで出会ってきた仕事仲間の中には、児童相談所の勤務経験がある方たちも多くいます。その方たちを見ていると、心身ともに本当に過酷な職場だと感じます。休職や退職をなさった方も一人や二人ではありません。

大きな責任を背負って身を削りながら、少しでも子どもを取り巻く環境がよくなるように日々働いている仲間たちを、私は尊敬しています。それと同時に、どうか健康でいてほしいと心から思うのです。

   

「ほどけそうな、息」

【2022年8月1日:東洋経済ONLINE】

「児相のリアル」を伝えるため、短編映画「ほどけそうな、息」を制作した小澤雅人さん(監督・脚本)の記事が東洋経済オンラインに載っています。

小澤さんが、映画制作にあたり、現場の児童相談所の職員たちから話を聞く中で、一番驚いたのは、若手の離職率の高さだったそうです。離職率が高い一方で、首都圏の一時保護所は、常に入所率140~150%と定員オーバーと、慢性的な人材不足

この記事の中では、実際に児童相談所で働く管理職の方が、職場の現状と対策として必要なこと、そしていたましい事件はなぜ起こるのか、サポートが必要な家庭をどう受け止めて支えていくのかなどについて語っています。

 

  

国の新たな総合政策

【2022年9月5日:朝日新聞DIGITAL】

児童相談所の現状に、国もAIの活用などを盛り込んだ新たな総合対策を打ち出しています。

  

  

先行してAIを導入している児童相談所の話を耳にしたことがあるのですが、システムをうまく活用できれば事務作業が軽減され、人でなければできない本来の業務に労力を使えそうだな、と(個人的感想です)。

これは、児童相談所に限らず、対人援助を行う職場には共通することかもしれません。

 

最後に

児童相談所新規採用定員割れのニュースから、関連するトピックについてまとめてみました。

職員も働きやすく、そして利用する子どもたちに細やかな支援が行き届くように、児童相談所の職場環境が改善されていってほしいと思います。

そして、子どもをサポートする一心理士として、児童相談所を利用している子どもや職員の一助となるように、微力ながら自分のできることを全うしていこうと思います。