2016年(平成28年)の児童福祉法改正により、特別区(東京23区)においても独自に児童相談所を設置することが可能となりました。
これを受け、2020年(令和2年)の世田谷区、江戸川区、荒川区による先行設置を皮切りに、現在までに10の区が児童相談所を開設しており、今後さらに2つの区で設置が予定されています。
区独自の設置を巡る一連の議論は、現在、一つの節目を迎えたと言えます。各自治体が地域の実情に照らして支援体制を選択したことで、議論の焦点は「設置の是非」から、それぞれの体制下における「実効性のある施策の運用」へと移っている状況です。
※2026年(令和8年)4月1日現在
児童相談所を設置している区
令和8年4月1日現在で児童相談所を設置している区は、10あります。
都児童相談所サテライトオフィス
児童虐待への迅速かつ的確に対応、都区の相互連携の更なる強化を図ることを目的に、都児童相談所のサテライトオフィスが設置されています。
サテライトオフィスには、区の人材を育成する効果も期待されています。
令和8年4月1日現在で、都児童相談所のサテライトオフィスは、5つあります。
都児童相談所に区の分室を設置
令和5年7月より、都児童相談センター(都児童相談所)に、新宿区子ども総合センター分室が設置されています。
都・区職員が同じ職場で働くことで、連携を密にし、迅速に適切な支援につなげること、区職員のスキルアップなどが期待されています。
令和8年4月1日現在で、都児童相談所に区の分室を置いている区は1つです。
- 新宿区(令和5年7月)
児童相談所を設置予定の区
令和8年4月1日現在で児童相談所の設置を予定している区は、2つあります。
児童相談所を設置しない予定の区
令和8年4月1日現在で、区として児童相談所を設置しない方向性を示している区は、7つです。
- 練馬区(令和6年6月に東京都が練馬区に児童相談所開設)
- 足立区(令和5年6月に方向転換)
- 墨田区(令和9年度をめどに、墨田区と台東区を管轄する東京都の児童相談所設置を目指す)
- 目黒区(令和6年9月に方向転換、令和13年度をめどに東京都が目黒区に児童相談所設置予定)
- 渋谷区(目黒区に設置予定の東京都の児童相談所と連携)
- 江東区(令和7年1月に方向転換、令和12年以降東京都が江東区に児童相談所設置予定)
- 新宿区(令和7年12月に方向転換、区の分室を活用していく)
そのほかの区
そのほかの区(千代田区、中央区、台東区、大田区)は、過去に設置の検討がなされた経過はありますが、引き続き東京都の児童相談所が管轄する広域的な支援体制が維持されています。
また、各区においても実情に合わせて、独自の児童支援施策が進められています。
台東区では、令和3年から都の児童相談所サテライトオフィスが設置されています。さらに令和9年度には、墨田・台東の2区を管轄する都立児童相談所が墨田区内に新設される予定です。こうした背景から、今後も東京都との連携を軸とした体制が続いていくものと見られます。
大田区では、令和7年8月に東京都児童相談所のサテライトオフィスが設置され、令和8年8月開設予定の「大田区こども未来総合センター」内において、都と区が連携して相談支援にあたる体制整備が進められています。
